「雨宿り」の風情も無い

夜中の、

苛立った空が、

すっかり静かな朝を迎えていた。

 

地震、雷、火事、親父」の、

親父だけは、影を潜めて、

もはや、「威厳」も吹き飛んで、

優しいパパに、変容した。

 

誰が考えても、

地震、雷、火事までは、

一つ間違えば、命取りは、

百も承知である。

 

最近になって、

気候変化の危険予測に、

加えられたのが、

「線状降水帯」やら、「気温乱高下」。

 

急に降り出した、雨の中、

家族のお迎えなどもなく、

勿論、傘の持ち合わせなどない。

 

土砂降りの雨の中を、

「走るしかなかった!」

年代としては、

「ただのスコールと違うのん?」

次々と、

新しい業界用語に、戸惑ってしまう。

 

急な、大雨に、

狭い、日差しの下で、空を見上げたり、

小さな喫茶店での、いっぱいのコーヒー、

雨が、上がるまでの待ち時間、

「雨宿り」も、風情があった。

 

地球の温暖化によって、

季節感も薄れ、

自然界も、壊れてゆく、

 

電力不足に、水不足、

油不足に、食糧不足、

気候の変化だけでは、済まされない、

生死に関わる危険予測、

 

今日までの人生が、

いかに、豊かであったかを、

知る日々が、続いている。