睨みつけた空が、
少しずつ、明るくなって、
晴天の一日と、なった。
今日は、
親しい人達、数人と、
近くの田舎へ、「高齢者ツアー」
居座っていた、灰色の雲も、
そのパワーに、吹き飛んだ。
四人合わせて、
軽く、250歳を越えるが、
「空元気」で、
今も、現役で働いている。
皆、職種は違うが、
専門家である。
車の窓から、差し込む光と、
エアコンの冷たい風が、心地良い。
映画の一場面の様な、
深い山並み、
涼やかな、川のせせらぎ、
これ以上ない、新緑の美学、
「都会の喧騒」から、
離れて、束の間の休息、
生活音や、人々の話し声、
行き交う車や電車の音、
もない、静かな田園風景、
貧しい過疎の村では、
若者も減り、
農業林業継ぐ人も、いないと聞く。
観光客が居なくなる、
夜ともなれば、
人の気配もない、卓袱の闇の中、
昼の顔とは、全く違う世界となる。
「夏草や兵どもの、夢の跡」の、
詫びしさが、浮かび上がってくる。
自然の
素晴らしさだけでは無く、
自然の脅威もある事を、
知る為に、
夜の山道を、走れば、
田舎暮らしの、
悲しみや切なさも、見えて来る。
ホッとする時間を、与えられ、
癒されたが、
考えさせられる、一日でもあった。