「良き事も、悪しき事も」愛おしい

少し早めの夕暮れに、

「秋」の姿を、

待ち侘びる。

 

せっかちな私は、

久しぶりに、

ガラス窓を、全開にして、

「秋の風」を探している。

 

最近は、

我が身にとって、

「悪しき事、良き事」の、

判断が、分からない。

 

昔は、

「良き事」を、

ガツガツと、求め続けていた、

そんなあの頃が、恥ずかしく、

猛省気味である。

 

「良き事」だけを、

求め続けてきた、長い道のり、

今なら、

こんな世の中に、

承認されても、嬉しくはない。

 

「悪しき事」は、リフォームして、

私らしく、活用し、

悪夢のような出来事でも、

泡と消えていく様は、

儚く、美しい思い出となる。

 

歳を重ねて、

身体の、不具合、

経済の、困窮、

精神の、痛手など、

全て、私であり、

何故か、愛おしくもある。

 

以前、女性の為の、

「美しく老いる」と、言う本が、

出版されていたが、

今更、

姿形は、変えられず、

 

私の、

「老いの美学」は、

「良き事も、悪しき事も」

甘受して、

しなやかに生きてゆく事である。