女性が抑圧された時代に、生きて

ノーベル文学賞が、

仏女流作家の、

アニー エルノー氏に、

授与された。

 

1940年生まれと、聞いて、

変わらない年齢に、

まだ、作品を、読んではいないが、

何だか、嬉しい。

 

遠く離れた異国の地で、

同じ歴史の中で、

同じ時間の中で

共時性の様な事が、あったかも知れない。

 

国は違えど、

女性が「抑圧されていた時代」に、

ドキュメンタリーな、

其々の人生を、過ごして来たはず。

 

女性として、

自由奔放に、生きる事は、

公には、許されず、

時代が移りゆく中で、

葛藤を繰り返して、生きて来た。

 

鏡の中で、

女の子が、女性に変容して行く、

透き通る様な、薄い肌に、

初めての口紅が、浮き上がる。

 

詰まった襟の、セーラー服を脱ぎ、

白い胸元が見えるほど、

開けた、ブラウス、

両手が、回るほど、

絞り込んだウエストのスカート、

 

一人だけの、外出に、

何故か、「ドキドキ」と、

胸が高鳴る。

 

昨日までの、

「三つ編み」は、卒業し、

肩まで、伸ばした黒髪が、

吹く風に、揺れている。

 

友人達と、黄色い声で、

「キャーキャー」

騒いでいた電車の中で、

ドアの側に、立ってみれば、

見える景色が、違ってる。

 

私の事を、

「誰も知らない」都会の中で、

行き交う視線が、交錯する。

解放された魂が、飛んでいる。

 

歳を重ねても、

今もなお、美しい彼女の作品を、

読んでみたい、

同じ時代を、生きたドラマに、

出逢いたい。