「生きてるだけ」で、良いのかな

外は、

 「木枯らし」みたいな、

風の音が、聞こえる。

 

「小さな灯りとり」の窓から、

薄暗がりの朝が、見えている。

 

昔の様に、

飛び起きる事もなく、

ゆっくりと、覚醒し始める。

 

音を消した、

テレビの画面に、

日常から、かけ離れた、

別世界の、映像が流れている。

 

宇宙にまで、

人間が行くほどに、

果てしなく、広がった世界、

 

ミクロほどの、

小さな私を、探しても、

誰にも、見つけることなど、

出来はしない。

 

「生きる為」に、

一生懸命、生きて来た意味が、

「可笑しい」ほど、分からない。

 

誰に聞いても、

どんな本を、開いても、

「私の在処」を、見つける事が、

今もなお、知る由もない。

 

気が遠くなるほどの、

ルーツを、遡れば、

誰かと、繋がって来た、

細い糸が、見えて来る。

 

「あの人」から、

始まった歴史の中に、

「この私」が、見えて来る。

 

解き明かされた、

人類の始祖は、「ホモサピエンス

絶滅したはずの

ネアンデルタール人」も絡んでた。

 

「何もない」はずの、

真空には、

量子が、いっぱい詰まってて、

その量子にもまた、

量子もつれ」があると言う。

 

この世で、

誰も知らない事を、

見つけられないものを、

狂気の博士達が、解明してゆく。

 

「何のために?」

「誰のために?」

理屈のない、

純粋な答えが返って来る。

「私達、全ての人類のために」

 

小さな私でも、

「生きてるだけ」で、良いのかな?

気がつけば、

明るい太陽の光が、

部屋の中で、舞っている。