薄くブルーに変わる、「黄昏時」
いつからか、
沈んでゆく夕日を、見なくなった。
太陽が、
一日の、終わりを告げ、
薄くブルーに変わる、「黄昏時」
少し、寂しげで、
叙情的な、流れの中で、
景色も、心も、
リセットされて行く。
若い頃、
友人達との、集いの時間、
一杯の、
「アペリティフ」が、
複雑な心模様の中に、溶けてゆく。
職場の私が、実像で、
家庭にいる私が、虚像なのかは、
誰にも、語らないままに、
年を重ねて、今がある。
庭の、木蓮の樹が、
真っ白な大輪の花を、
咲かせる季節、
幻想的な自然の美に、
春がきた事を、気づくほど、
忙しい、冬を、
走り抜けてきた。
突き抜けるほどの、
蒼い空の下、
冷たさを残した風に、
背筋を伸ばして、
忙しい、朝が始まる。
子供達の、
小さな手の温もりも、
皆んなが、集った、
ストーブの暖かさも、
「私の歴史」のページの中に、
大切に、しまってる。
巻き戻せない、時間、
取り戻せない、幸せな日々、
誰も、居ないリビング、
「黄昏た」時間が、
ゆっくりと、静かに、流れている。