「明日、お茶会があるから、来ない?」
いつもながらの、
女性ばかりの「ダベリング会」
ではなく、
「今日のゲストは、〇〇先生です」
と、現れたのは、妙齢のご婦人。
華やかな場所には、似つかわしく無い、
「講義」が始まる。
本当の女性の輝きは、
姿形だけではなく、
心の教養、
つまりは、「世の中の教え」を、
学ぶこと、実践されること。
なんだか、
「戒め」の様な言葉から、始まり、
金縛りにあった様に、
女性達は陶酔していったのである。
全てを、手に入れた
形だけの幸せ感、
ぽっかり空いた穴に、
「スコン!」と、はまった、
30数年前、
経済大国となった、日本の中で、
数々の「新興宗教」の風が、
吹いていた。
地位、名誉、お金、
嫉妬、妬み、恨み、
人間の煩悩が、渦巻く中で、
幸せな家族の、
悲しみや、苦しみが、見えてくる。
「お母さんは、辛かった!」と、
家族の誰かに、言えたなら、
こんな悲劇は、
生まれはしなかったのである。