「ほっといて、かもてなや!」

押してくれる人がいれば、

「介助用」の、小さな車椅子で、

お散歩に行く。

 

長い夏も終わり、

待ちに待った、

「車椅子日和」になった。

 

車椅子に乗ると、

いつもの景色が、変わって見える。

目線は、

ちょうど、小学低学年程度である。

 

「ながらスマホ」の人や、

「自転車」の人が、

前から来ると、

ぶつかりそうになり、衝突事故である。

 

殆ど、

すれ違う人たちが、

車椅子を、避けてくれるので、

スイスイと、風を切って、

すこぶる、爽快!

 

股関節が悪いので、

普段は、杖であるが、

転ばん様に、長くは歩けず、

難儀な、暮らしである。

 

歳を重ねると、

タイルが剥がれる様に、

身体も、少しずつ壊れていく。

 

残存機能を、活かしながら、

生活スペースは、

二階から、一階に、

 

手を伸ばせば、

届く範囲に、家具を置き、

細かい飾り物は、排除する。

 

ご丁寧に、

手すりをつけたり、

お風呂や、トイレを改造するのも、

私の場合は、まだ早い。

 

ちょっと、無理して、

ちょって、めんどくさくて、

ちょっと、ややこしい部分は、

あえて、残して、

生活リハビリ。

 

社会は、

高齢者のための、

快適住居が、造られて、

「いたれり、つくせり」尽くしである。

 

「ほっといて、かもてなや!」

の、気合いは、必要ではあるが、

困っていると、

手を貸してくれる、若者がいる。

 

そんな時は、

なんだか頼もしくて、

素直な気持ちで「ありがとう」である。