一人ぼっちの「秋の夜長」

今宵の月は、

満月では無い三日月だけど、

「秋の夜長」

お団子では無い、栗饅頭と、

「一歩堂」の、お茶を頂く。

 

一人ぼっちの、

「秋の夜長」が、

風流に、穏やかに暮れてゆく。

 

「秘境の温泉」には、

ほど遠く、

「都会のふろ屋」ほど、

大きくは無いけれど、

 

小さなホーローのお風呂でも、

心の汚れは、

綺麗さっぱり、落ちてゆく。

 

湯船いっぱいの、お湯の中に、

ゆっくりと、身体を沈めて、

眼を閉じれば、

 

「このまま、死んじゃう」って、

思えるほどの、「極楽浄土」

観音開きの、小さな窓から、

冷たい秋が、覗いてる。

 

コロナ感染、

侵略戦争

経済低迷、

我慢比べの、長い年月、

 

飛行機で、ヨーロッパへ、

新幹線で、東京へ、

もはや、

生きてるうちには、行けなくなった。

 

想い出を、

小出しにしながら、

味わう、「秋の夜長」

温かなベットの中で、

いつのまにか、

深い眠りに、つくのである。