身が縮まる様な、
底冷えの朝である。
去年の事は、
すっかり忘れて、
「こんなに寒かった?」
と、納得出来ないで、
お天気にさえ、不満が出る。
何もかもが、
混迷の時代になって、
あちこちで、
切実な問題が、人々を苦しめている。
本人が、怠惰なわけでも無く、
個人の力では、どうにもならない、
経済の低迷に、
狙い撃ちされた業種は、
救いようもなく、困窮している。
「○月○日、電力停止」
電力会社から、通知が来たという。
かなり、
切実な話ではあるが、
支払いたくないのでは無く、
支払えないのである。
誰のせいでもないが、
その上に、
ライフラインを、断たれたら、
絶望しかないのである。
何の躊躇もなく、
会社の規約通りに、通知を出す人達は、
「お支払い頂けない場合は、
送電を、停めます」と、
伝えるだけである。
せめて、
通知書の、片隅に、
「お支払いが、困難な方は、
ご相談に、対応いたします」
と、書かれていれば、
生きる事を、選ぶ可能性は、
あったかも知れない。
断たれた人の、心から、
「光」を奪ってはいけない。