「月のため息」が、聴こえる

闇夜に、

「睨んだ満月」が、光を放つ。

 

人間の行動を、見抜くほどに、

地球を照らしながら、

 

満ち溢れるような、

優しさは、消えて、

地球を、睨んでいる。

 

荒れ狂う、火の海を、

地中から、噴き出す黒い塊を、

血に染まる、大陸を、

見続けてきた月が、

泣いている。

 

秩序なき、地球の有様に、

呆れ果て、

唯一無二の、美しい星が、

崩壊して行く様を、

夜空に、叫んでいる。

 

「神の奇跡」が、

積み重なって、生まれた人類が、

自らの手で、

森を、大地を、大海原を、

食い潰してゆく様に、

「月のため息」が、聴こえる

 

月の光の中に、

変わり果てた、醜い地球の姿が、

鏡のように、

映し出されている。

 

「母なる月」の、

悲しみの涙が、降り注ぐ、

満月の夜が、更けてゆく。