残された時間「寝る暇ないわ!」

夜中の

0時を、過ぎると、

暖かい部屋も、

深々と、冷えて来る。

 

裏起毛の部屋着も、

今は、

パジャマがわりである。

 

いつの頃からか、

外出しなければ、

朝、昼、夜と、部屋着のまんま、

独居老人の、

特許の一つである。

 

何十年、

家族のために、お料理を作り、

お部屋の掃除や、洗濯と、

終わりのない家事三昧。

 

誰もいなくなった、

独り暮らしの、高齢者の崩壊は、

ここから始まる。

 

しんどいから、「明日にしよか」

誰も来ないから、「明日にしよか」

寝るだけだから、「まっ!良いか!」

なんて事になる。

 

気がつけば、

「ゴミ屋敷」みたいになって、

とうとう、

ちょっと、危ない、

認知症」に、されてゆく。

 

健康な若者でも、

小さなきっかけから、

「引きこもり」になる時代。

 

足腰弱って、

外出も、ままならず、

子供も、孫も、

自分の事で、精一杯。

 

だーれも、来ない部屋の中で、

寝ては覚め、覚めては寝るの、

繰り返し。

昼と夜の区別がつかず、

逆転現象。

 

なんて事にはなりたくなくて、

朝は、

めざまし時計に、腹を立て、

拘縮した身体に、鞭打って、

昔のまんまの、

ルーティンな、一日を、

「やけくそ気味」で、始めれば、

 

この歳でも、

やる事は、いっぱいあって、

次々と、こなしてゆけば、

無料の「生活リハビリ」が、

出来るのである。

 

残された時間は、短くて、

「寝る暇ないわ!」と、

拍車をかけて、

生きてる高齢者も、いるのである。