儚い、感傷的な「心模様」

豪華で、華麗な、

お花が、並ぶ、

「お高そうな」花屋さん、

 

暖かそうな、

ショーウィンドウから、

道路側に、出された、

「ショボイ」、季節外れの、

白いシクラメン

 

冬の花」のイメージで、

クリスマスから、お正月にかけて、

カフェや、レストラン、

家のリビングを、彩って来た。

 

なのに、

「貴方は、誰?」

と、聞きたくなるほど、

同じシクラメンとは、思えぬ姿。

 

その内、

裏へ、片付けられて、枯れて行く。

気がつけば、

袋に入った、シクラメンを、

抱えて帰る、私がいる。

 

「子供」と、

「鉢植えのお花」を、

育てるのが、下手くそで、

勝手に枯れてくれる、

「切り花」しか、

買わないと、決めていた。

 

「打ちひしがれた」

その姿が、

悲しみと苦しみの中にいる、

人達と重なって、

思わず、手を伸ばしてしまった。

 

せめて、

温かなお部屋で、

美味しいお水で、

元気に成るかもと、

儚い、感傷的な「心模様」

 

どこから見ても、

立派な「シクラメン!」とは、

言い難く、

「チリチリとした」花びらが、

震えながら、咲いている。

 

数日後、

夜になって、

レトロなスタンドの、灯りの中、

ガラスのテーブルの上に、

飾られて、

 

顔を上げて、

ピンと背中を伸ばした、

「可愛いシクラメン」が、

静かに、佇んでいる。