悲劇の場所で、神様の風が吹く

倒壊した、

「瓦礫」を集め、火を起こし、

「積もった雪」を、飲み水に。

 

絶望の中から、

奇跡の様に、

子どもたちの命が、甦る。

 

目を覆いたくなる程の、

惨劇に、

苦しみと、悲しみが、伝わってくる。

 

「大震災」の、

恐ろしさは、

経験したものでしか、分からない。

 

形なき、「消えた家」に、

立ちすくみ、

体育館の、片隅に、

「積み上げられた」、家族の遺体。

 

地獄絵の様な、

現実の出来事に、

脳の回路は、停止する。

 

「戻せない時間」の中で、

「悲劇の現実」の中で、

それでも、人の心は、

「正義」のために、動き出す。

 

「生きる」術を、

「生きなければならない」意味を、

深い魂は、知っている。

 

「今の自分」より、

「最も辛い人」の為に、

たった一切れのパンを、

グラスに残った、雨水さえも、

与えようとする、人がいる。

 

阪神大震災」が、

襲った、悲劇の場所で、

「神様の風」が、吹いていた。

 

「悲しみ」を抱きしめて、

「勇気」が、背中を押して、

人々は、未来へと向かって行く。