悲しみの「曲がり角」に立っている

「ぺっしゃんこ」に、

潰れた、誰かのハート、

「落とし物ですよー」って、

声が、聞こえる。

 

見つからない様に、

「知らんぷりして」

歩いていたら、

「私のだって」分からないはず。

 

「捨てられた」ハートに、

胸一杯、吸い込んだ、

暖かな息を、吹き込んだら、

「しぼんだ端切れ」から、

ゆっくりと、ピンク色に染まってゆく。

 

「無駄な事」を、

仕出かす人が、いるなんて、

ちっとも知らなかったし、

出会った事もないけれど、

冬の冷たさの中で、

「凍った涙」が、溶けて流れる。

 

膨らんだ、

私のハートを、差し出して、

「元に、戻りましたよ」って、

笑ってる。

 

そんなもん、

「もう、要らない!」って、

答えたら、

世界で、たった一つの、

「貴方にしか、合わないハート」

 

破れたら、繕って、

傷つけば、抱きしめて、

踏み潰されたら、温めて、

「生き返る」

あなた仕様の、名前入り。

 

そんな、

「魔術師」みたいな人が、

悲しみの「曲がり角」に、

立っている。

 

この人こそ、

「愛された事」も、

「慕われた事」も、

「報われた事」も、無いはずなのに、

 

この世で、

最も「我儘な人」の

最も「捻くれた人」の、

最も「あかんたれの人」の、

捨てたハートを、甦らせる。

 

「地球の周る音」が、

ゆっくりと、

私のハートの「鼓動の音」と、

コラボして、

静謐な部屋の中で、目覚め始める。