「春うららの季節」となった。
旅に行こう!
山へ海へと、出かけよう!
「休日」を待ちかねて、
人も、街も、活気を取り戻してゆく。
あれ以来、
デパートや、スーパーが、
改装されて、売り場も大きくなり、
「美味しい物」が、食欲をそそる。
どんな時でも、
人は、
「美味しいもの」が、欲しくて、
「美味しいもの」を、求めて、
その場所に、繰り出して行く。
「死ぬ前に、何が食べたい?」と、
考えるほど、
食べ物には、執着がある。
化学的な分析によると、
脳の中で、
「美味しい」物を食すると、
「快楽」物質が、出るらしい。
忘れられない「快感」として、
インプットされ、
「美味しい」は、
「楽しい」に等しく、
「美味しい」は、
「悲しい」には、ならないのである。
昔の嫁は、
「夫の胃袋掴め!」と、
恐ろしい「ジンクス」を、
姑から、聞かされたと言う。
「美味しい物」さえ、
食べさせておけば、
外に、彼女が出来ても、
「家に帰ってくる!」
なんとも、
当たらずとも、遠からずであるが、
今の時代では、
外食も、市販の食品も、
すこぶる、美味しく、
簡単に、手に入る。
食べ物で、
「夫」を、手なづける様な、
ジンクスは、通用せず、
待てど暮らせど、夫は帰らずである。
昨今の、
「離婚率」の高さは、
妻と、別れても、
「美味しい物」には、困らず、
「快楽」は、簡単に味わえる事が、
原因の一つかも知れない。
「食べ物」は、
生きる為に、必須のものであるが、
「美味しい物」は、
「快楽」を、追うことになり、
大切な物を、失う可能性はある。