低くて、「大きな満月」が、
流れる涙で、
霞んだ、車のフロントガラスに、
映し出されている。
この世の、
「悲しみ」の中で、
大切な人との、「別れ」は、
苦痛をともなう。
やむなく、
生きて別れる「訣別」
二度と、
会えなくなる「死別」
「一期一会」の、
奇跡の出会いも、
いつの日か、
「其々の停車場」で、降りてゆく。
死ぬ為に、生きて、
別れる為に、出逢うなら、
「哀しい定め」ではあるが、
永久に、
心の貯蔵庫に、納められている。
「輪廻転生」が、真なら、
蝶々になった、
「優しい母」とでも、会ってみたい。
絶望からの、
「時」を経て、「歳」を重ねて、
封印された、思い出の箱から、
「悲しみの過去」を、
丁寧に、取り出してゆく。
桜の舞い散る、
美しい風景の中に、
「解放された」悲しみが、
飛んでゆく。
近い未来、
必ず、やって来る、
「私の存在」が、消えるに日に、
私は、
「誰の心の箱」に、終われるのだろう。