「悲しみの光景」を、忘れない

居座っていた、

「黄砂の空」を、

春の風が、青空に変えてゆく。

 

「うんざりする」

ニュースばかりで、

心も晴れずに、いたけれど、

開け放した、窓から、

爽やかな風が、吹き抜けてゆく。

 

守られるはずの、社会から、

「取り残された」子供達、

夢見て、渡った国から、

「裏切られた」外国人労働者達、

 

「明日がない」日々を、

居場所を求めて、

彷徨っている様は、

「先進国」と掲げた言葉から、

消えてゆく。

 

「安心、安全」の、

日本社会の中に、

今もなお、

「差別」が、横たわっている。

 

「自分以外」の他人を、

「自国以外」の他国の人を、

「文化、習慣」の違う人を、

認められない、

何かが、渦巻いている。

 

「自助」が出来ない、弱者、

「公助」が出来ない、行政、

残るは、

すぐそばにいる人達が、助け合う、

「共助」しかないのである。

 

既に、高齢者となり、

階段を、降りてゆく、

私の目に、

焼きついた、「悲しみの光景」は、

忘れる事はないのである。