「出口のない」施設には、入りたくない

夏場には、

少し早いが、

「怖ーい話」には、

病院が、良く登場する。

 

寝静まった、部屋では、

「ブーン、ブーン、」

「ピー、ピー、」

「カチッ、カチッ、」

と、機械の音だけが、流れている。

 

最近の医療関係者は、

「制服」が、カラフルな色になり、

暗闇から出てきても、

驚きはしないが、

 

真っ暗な廊下を、

「白衣」を、靡かせて、

「注射器」を持って、歩いていると、

思わず後退りしてしまう。

 

医師や看護師にすれば、

えらい迷惑だが、

「病、死、怖い」が、

恐怖観念のワンセットである。

 

一番の「安全、安心」な、

場所であり、

最先端の治療を、施してくれて、

治るまでは、退院はできず、

 

「個室」暮らしは、

ビジネスホテル並み料金で、

広くて、清潔

完璧な、食事がついてくる。

体調が悪ければ、

名医と、優しい看護師が、

見に来てくれる。

 

医学と化学の進歩は、

目覚ましく、

昔なら治らぬ病も、完治して、

めでたく、退院となるが、

 

高齢者は、

家は、子供に明け渡し、

急性期病院からは、

次なる施設へ直行便、

 

「入口」はあるが、

「出口のない」施設には、

誰も、入りたくはないのである。