束の間の、
晴れ渡る、青空、
「太陽の光」が、斜めはすかいに、
窓から差し込んでくる。
鏡に映った、
青白い、「起きたての顔」にも、
ほんのり、ピンク色の光が、
反射して、温かい。
いきなりの、
「病」に、翻弄されて、
一回り小さくなった顔にも、
少しずつ、笑顔も増えて、
無くした物を、取り戻してゆく。
「人間の生命力は、凄いな」
歳を重ねても、
傷ついた肉体を、再生して、
病んだ精神を、蘇らせていく。
70歳を超えると、
ほとんどの高齢者が、
「致命的な」疾病や疾患を、
一つくらいは抱えているが、
大騒ぎもせず、
「持病も、身のうち」と、
覚悟して、我慢のしどころ。
私自身も、私の周りも、
「棺桶」に、
指先が届くほどの年齢ではあるが、
みな、「達者!で、強い!」
きつい冗談ではあるが、
仲間内では、
「この人、殺しても死なんよ!」と、
褒め言葉で、言い合うことがある。
大笑いをしているが、
そんなに、遠くはない未来に、
みんな、
「この世」から、消えてゆくことを、
知っている。
それまでの、
ささやかな時間、
泣いたり、笑ったり、怒ったり、
惜しみなく、過ごしたいと、
望んでいるだけである。