「市役所の窓口」で、涙する
「はい、だめですよ!」
「はい、違いますよ!」
「はい、帰ってくださいよ!」
私の耳が悪いのか、
相手の人の言葉が、
いつも、こんなふうに聞こえる、
「市役所の窓口」で、
悲しくて、涙するときがある。
自分の状況では、
思い通りにいかないから、
困ってるので、
わざわざ窓口に来て、
「ご相談」に、来たはずが、
「お顔はにこにこ」笑ってるが、
「目が笑っていない」職員の人の、
「ちゃうやろ!」
「分かってへんやん!」
「帰れ!帰れ!」
と、心の声が聞こえて来るのは、
私だけ?
この、理不尽な社会に生きて、
80年近い、海千山千の婆さんを、
騙せるわけないんだけど、
窓口の向こうにいる、
お兄さん、お姉さんは、
「私の訴え」も、「泣きそうな状況」も、
見ようとしない。
「通るパスポート」だけを、持った人は、
誰でも、通せる。
訳あって、
「基準に当てはまらない人」に、
皆と同じ様に通れる道順を、
教えてくれる人はいない。
市役所の玄関に貼られた、
「困窮者の相談窓口」の、
このチラシは、
なんのためにあるのだろう?
昔から、
国は、行政は、公的機関は、
口先だけの、「親方日の丸」
世界は変わり、
SDGsの進歩や、生成AIの進化が、
手の届く未来になっても、
未だに、
紙物渡され、
「全部書いて、提出してくださいね!」
周りを見渡せば、
高齢者ばかりが、ウロウロしている、
市役所の中で、
「この意地悪な国はどこだろう?」
と、思ってしまう。
脚が悪くて、
目が見にくくて、
頭が、ボケて来た高齢者が、
「やっとの思い」で、
たどり着いた市役所で、
「ご案内しましょうか」と、
優しい声をかける人は、いないのである。