就労支援が身の上相談になる時。

約束の時間に、元気そうな30代男性が
はいってきて、ニコニコ愛想も良く、どこでもいそうな感じ。物販のレジ打ちをしていたが、パニック症があり、レジから離れられず困っていて、周りはおばちゃんだらけで救いなし。
長く引きこもりで、正社員にはなりにくい。
まあ、今時の若い人の珍しくもない相談だが、私は、いつも原因を探るので、いろいろ自己開示をして行く中で、突然、「先生はLGBTをご存知ですか ?」と聞かれたので、それがどうしましたとこたえると、そのことが自分の一番の相談したい事ですと本音を言い出した。医学的には知ってるが、的外れの愚問をした。「オカマ?ホモ?ニューハーフ?」とズバリ聞いたら、どれも当たらず、女装癖があると言ったので、へぇーそれだけ?別に悪くないやん、コスプレみたいなものと一緒でしょ?趣味の域を超えてしまい、そのことが頭から離れず、仕事は二の次、しかし、身につけるドレスなどにお金がかかり、働かなければならぬと訴える。なるほど、ほんまやね、大変やわと、変に納得。私の中には人間否定がないのと、どんな問題にも答えはあると信じているので、試行錯誤の末、福祉の老人介護の道を進めた。男女差別なく、服装は自由、男性は特に優しければなお良いし、資格を取っていけば一生の仕事にもなり、人に役立ち貢献できる仕事であると説明した、早速、施設を紹介し喜んで、受け入れてもらったのだが、その後風の便りでまたやめたと聞いた。理由は排泄の匂いが生理的にダメだったらしい。まあ、そんな理由の人は沢山いて、どうってことない話。どうか自己嫌悪に落ちいらず、真空だと思っていた空気中には粒がいっぱい詰まってるらしいので、もう一度、勇気を持って、チャンスを取りに、私の部屋のドアを開けてきてほしい。