赤の他人

「赤の他人にそこまでする必要なし」と言われたら、ぐぅの音が出ないほど引いてしまう。
不思議な言葉である。
最近の若い人たちはあまり使わない、今は死語に近い。
なんで青でなく赤なんだろうと調べてみたら、
いろんな説があるが、仏語から赤は水、水は冷たい、冷たい関係、無関係みたいな感じらしい
そうだとすれば、私は赤の他人ととても親しい
専門的な有資格者には応召義務があり、見知らぬ人から、困ったことや悩みがあれば人道的には相談に乗らねばならない。
今まで、とても仲良くしていた知人と、訳あって決裂した時も、夫婦が離婚に陥った時も、最後の締めに使う便利な日本語。
「所詮、赤の他人よね」
こんな言葉は欧米にはない様な気がする。
そんなこと言ってたら、震災にあった人たちもアフリカの子供達も助けられない。
自分だけ、家族だけ良ければ志向の強い日本人が世界の中で、「日本の常識、世界の非常識」と言われている由縁である。
若い頃、よく行ったフランスは、成熟した大人の国と言われていたが、日本から来た赤の他人の私に対して、出会ったフランス人の方々が差別なく、温かく受け入れて下さった事を忘れない。