自律神経失調症。

28歳の時からの付き合いである。
今で言うパニック障害
いきなり、唐突にどこにいても、何をしていても襲ってくる。
得体の知れない感覚が、渦を巻いた状態で心を鷲掴みしてくる。
不安と恐怖観念である。
原因も実態もない、姿なき病である。
特に平穏な時間、食事時、テレビを見てゆっくりしている時、人と談笑している時など、前触れもなく、現れる。
血圧上昇、手足のしびれ、失語など、全ての病気の症状が総動員する。
とうとう、頭にきたかと医者へ。
答は「自律神経失調症です。交感神経と副交感神経のバランスを崩してます。身体的にはどこも悪くはありません。治療法は安定剤のみ」と言われても、曖昧な診断にまた不安と恐怖がつのる。
渡された薬が唯一の頼みと、肌身離さず持ち歩き、襲われる前に飲むの繰り返し。
薬依存症になるかもと、また不安と恐怖の連鎖
その内、戦いに疲れ、もうなるようになれと諦めて、薬をヤンピ!
冷静になって不安と恐怖を突き詰めれば、死への恐怖観念。
その若さで死ぬわけもないのに、取り憑かれてもいないのに、その事に無知であったがためにうろたえた日々。
ある日、いつものパニックがやって来た。
熱いお茶を飲み、ソファに横たわりさあ殺せと目を閉じた。
時間が過ぎても、何も起こらず目が覚めた。
生きていく中で、怖いと思えることがたくさんある事を認め、受け入れた事で克服できたのかも知れません。
それから40年を経た今も、私のお財布には小さな安定剤がお守りのように入っています。