私の名前はエリザベス。

数年前より、少しばかりお庭が広いので、障がい者作業所に除草をお願いしてきた。
知的障害の人たち数人が、来てくれている。
作業が出来る人、出来ない人様々であるが、とりあえず、綺麗になって嬉しい。
作業の終わりに出す紅茶とミスタードーナツが楽しみで、来てくれているらしい。
「オッハヨー!」と言って入って来る元気な人、幽霊みたいにじっと立ったまま微動だにしない人、すきあらば、水道の水を出そうとする人、ずっと怒っている人、どうあれみんなが仕事をしている姿を見るのは楽しい。
同行しているトレーナーの職員の人は、段取り良くことを運び、声をかけながら上手に仕事を進める。
頭が下がる思いである。
私は、仕事柄、障がい者の人たちとは関わるが
今でも、どんな風に声をかけたらいいのかを考えてしまう。
何しろ、身体は立派な大人なのだが、だいたい8歳前後の理解力なので、傷つけないようにと変に気を使って、距離を測れないでいる。
こんな風に、考え過ぎてることが、私の中にある差別かもと悩んでしまう。
最初の自己紹介の時に、冗談で「私の名前はエリザベスです」と言ってしまったので、それからは、みんなが「エリザベス、オッハヨウございます!」と言ってくれる。
この人たちの世界に触れたくて、受け入れてもらいたくて、そう言われたら涙が出るほど嬉しい。
でも、トレーナーの人達には脱帽する時がある
さりげない会話の中で、、彼らに向かって「あんた、アホちゃうか」と言えるのである。
自宅のリビングで、紅茶の香りの中、楽しい時間が過ぎて行く。