フィクサーは何処にでもいる

何だかきな臭い話になり、登場人物はいつも同じ、いつの間にか冤罪をかけられ、誰かが消えていく。
こんな事は、政治家だけの話ではなく、職場にも、学校にも、友人間にも、そして家庭の中でも常に繰り返されている小さな出来事のような気がする。
影で実権を握れる権力者であり、巧みな話術で人脈を操る支配者であり、そしてお金をどっさり持っている人が、フィクサーである。
大概、直接の加害者でもなく被害者でもない、
三者的要素の人物である。
何もしていないのに、いつの間にか悪者になっていて、その事を、誰かから聞いた時には、弁明すればするほど 、ドツボにはまっていく。
アホらしくて、放ったらかしていると噂はそこら中に広まり、水面下で人格は作られて行く。
この仕掛け人の目的の怖さは、お金でもなく物でもなく、名誉でもない。
人間関係論の定義を破壊する事に官能を味わい、伝言ゲームの様に、耳元で囁く。
「あの人って、どんな人なのかな?」から、ゲームは始まる。
うっかり答えたら、火蓋は切られる。
残念ながら、テレビのニュースにも週刊誌にも取り上げられないほどの、日常の小爆発は、犯人が見つかりにくい。
悪の連鎖は妄想の様に広がり、誰が首謀者かをかき消して行く。
しかし、何十年か立ったある日、苦労を重ねて、人生を達観した時、誰があの時の本当のフィクサーだったかを、今、知る事になるのです。