高齢者が、若者のためにできること。

コンビニの買い物ついでに、タウンワークを持
ちかえる。
リクルートが出している就職雑誌である。
毎週一回、発行されるが、最近同じ会社が、同じ業者が文面を変えて載せている。
私たちには無料配布されるので、この雑誌を見ていると、現実の社会情勢がよく見えてくる。
医療介護部門のページがいつも特別枠で、多いのは、確実に人手が不足しているのである。
私自身も、生徒に資格を取得させて、送り出してきた方ではあるが、実際、有資格者になって、仕事に活かす人は、全体の10パーセント位だろうとは思ってはいた。
使命感もあり、他者に対して貢献できる崇高な仕事として、一人でも立派な有資格者を育てるために、教義に明け暮れた時期もありました。
全てのカリキュラムが終了する頃には、夢と自信を持って、若者達は、現場の戦場へと飛び立って行きました。
不安と喜びで開けた扉が、どれほど過酷で辛いものかを、私自身が誰よりも知っていました。
寝静まった長い廊下を、明け方まで走り回り、
仮眠の時間などは決まっていても、1人でも危険な状態になれば、横になる暇などなく、朝に突入します。
そこには教科書通りにはいかない現実が待っています。
命をかけたせめぎ合いがあり、技術のミスは許されない現場であります。
精神も肉体も健康ではない人を支える仕事は、割り切ってできる仕事ではありませんが、
残念ながら優しい人たちが、力尽き、辞めて行くのです。
これほどの人手不足の向こうに、「助けて」と言えない人たちが、誰かが来てくれるのを待ち続けている。
働く若者達も、欲深く儲けたいとは思ってはなく、それだけの事に仕え、報いた証を示してほしいと、切に願っているのだと思う。
少子高齢化という、恐ろしい時代に突入している現場の中で、頭の固い政治家が、罪深いことを此の期に及んで、繰り返しています。
大切な若者達を乗せた船を、無事に、安全な場所まで、送り届ける役目が、まだ元気な高齢者のすべきことであり、日本という国を繋げるためのバトンタッチであると思っています。
高齢者と言われる人たちは、今、自分達にも出来ることがあり、個人レベルで実行して、聖なるトリアージを、自ら決断しなければなりません。
もう少し、命があたえられているならば。