女は灰になるまで。

会うはずのない駅で、親しい友人とばったり!
「どうしたの?旦那は?」
歳の割にはいつもべったりの夫婦なので、
聞いてみたら、「喧嘩したの」と言う。
なんと、70歳の女が言う言葉ではないでしょ?と思いながら、多少興味もあり訳を聞いて、
二度びっくり!
学生時代、一緒にアルバイトで働いていた芦屋で、超有名なレストランがあった。
かすみがかかるほど、昔の話である。
バブリーな時で、高級喫茶店?ラウンジ?
のような店で、たかがバイトなのに、生意気な条件提示だった事を覚えている。
私は短期間でやめたが、彼女はしっかりと稼いでいた。
で、その店が高級コールガール(若い方はご存知ないと思いますが)的な噂があったらしく、
旦那が知って、今更、彼女に疑いをかけて来たそうな。
「頭にきたから、飛び出して来た」らしい。
立ち話にしては、下世話な話ではあるが、
私から言わせれば、「少なからず当たってるやん!」と、言いたい。
彼を探すときも、今の旦那も、条件はお金持ちをターゲットにしていたはず。
狙い通り、現時点では、押しも押されぬセレブとなられたはず。
高校生の時から、狙った男性は必ず振り向かせた彼女のテクニックには、私からすれば脱帽であり、友人達からは嫉妬の的。
50年を超えても、男女の案件で喧嘩したのよと言い放つ彼女の生々しい話に、「まだまだ枯れてませんなあ」と思いながら、約束していた友人とランチ。
この彼女もまた、お年には見えないオーラをはなち、エステに夢中のお肌はピカピカ、決してカツラには見えず、胸元には、10円玉ほどの、
エメラルドが、燦然と輝いている。
私のようにしんどそうな時の沈んだ顔や、朝からラッキーみたいな顔にはならず、いつも同じ表情の美しい彼女が、
「歳を取っても、皆んな、エステすれば美しく保てるのに、女は死ぬまで女よ」と、言うので、かろうじて、言い返した。
「優先順位が違う生き方の女性もいて、
何を大切にするかは、人それぞれかもよ」と。