今年の夏はウエスト55センチ

ありえない話をして見たい。
当時、花の高校生。
もちろんずる休みして、友人と映画館へ
オードリー、ヘップパーンとエルビスプレスリーの全盛期。
どう頑張っても程遠いのに、あの小さな顔に
リボンをつけたポニーテール。
そして、片手で回りそうな55センチの華奢なウエストに憧れて、共布のベルトを、息が止まるほど絞り込んで、ダンスパーティーに出かけた。
狙いは、エルビスのようなボーイフレンドを見つけるために。
砂時計のようなウエストを持つ女が勝ちー!
何故かアホなことには競争意識の強い私は、
家にいるときには、父の腹巻をぐるぐる巻きにして、肌身離さず、毎日精を出した。
思い切り開けた胸元、キュッと絞り込んだウエスト、フレアースカートの中には、3段重ねのパニエ(スカートを膨らますためにチュールで作られた下着)を身につけて、ご満悦。
50数年間の年月は残酷である。
今では、どこを探しても、ウエストと言えるパーツは、見当たらず、腰に手を当てたとこが、ウエストですとしか言えない。
あの頃の、にわかオードリーたちが集まると、
「この頃お尻が四角になってきたのよ!」
「胸の下がすぐお腹になって、下着をどこにつけたらいいかわかんない!」
想像するだけでもおぞましい状況である。
四角でも丸でも三角でも台形でもいいですが、
今年の夏は、無くしたウエストを見つけにいきましょう。
暇とお金で堕落した肉体を、酷使して、
腹六分目位にしたら、肉で埋もれた可愛いウエストが、今年の夏には、きっと現れると思う。
健康寿命はそこから始まるのです、