心療内科に行く意味

最初に発作が起こったのは、40年ほど前である。
いきなり、貧血のように頭がふらつき、思考が混乱した。
不気味な恐怖観念と不安感に、襲われた。
前触れもなく、穏やかな時に表出する。
当時は、心療内科も、神経内科もなかったので、内科受診。
良く診ると評判のドクターだったので、
自律神経失調症です」ズバリ、診断された。
身体的異常が見られないにもかかわらず、自覚症状が訴えられる病である。
伝統的に、心気症とも言われる。
血液型は、典型的なO型、性格的にはプラス思考、および何事にも成るように成るケセラセラ
人に言ったら、「うそっー!」と、驚く。
で、あったはずだが、それは表向き。
本当の私は、非常に神経質で、細かい部分にまでこだわる本性を隠し持っていたかもと、
この病気のおかげで、見えて来たのである。
ドクターが、占い師のように私の傾向性を、
言い当てるので、納得。
今更、性格も直せず、薬の治療も気に入らず、
時間も、場所もお構いなく、発作が続いたので、あきらめて、「死んだらいいわ!」と、開き直ったら、徐々に収まり、思い出したように、現れては消えで、壊滅には至らないが、今に至っている。
とりとめのないすべての自覚症状を経験したおかげで、人の愁訴が理解できるようになった。
仕事柄、この手の病を抱えた人たちとの関わりが多く、言葉なき言葉や、暗号のような訴えに、じっくりと傾聴できる能力は培われたようだ。
だからと言って、この病は、簡単には私から離れず、私の心にピタリと寄り添い、顔を出す。
現在、神経内科のドクターが、私のメンタルな部分の、コンサルタントになって下さり、パンドラーの箱を、解放できるようになって来た。
早口で、神経質、どちらかといえば患者?に見える若い先生だが、問いかけにまっすぐ答えてくださるやりとりが楽しい。
投げたボールを受け止めてくれる相手がいることで、安心を取り戻していける。
私にとっては、1ヶ月に一回の課外授業になっていることは確かである。