いきなりの夏

間も無く、梅雨が来るからと、
満開になった庭の紫陽花が、真夏のような暑さに、ガックリと、首を落としてうなだれている。
一昔前は、天気予報など、「ヤン坊マー坊」だけであった。
最近は、各局のテレビが、競って、綺麗系や、イケメン風の天気予報士をそろえて、
オーバーに予報する。
機械が発達して、当たらぬわけではないが、
「風速30メートルの突風となります!」
「傘もさせないほどの大雨になりますね!」
親切なのか大げさなのかわからないが、
台風でもきそうなほどの、お天気を流す。
人間、それほどやわやない。
大人なら、それなりに対処するでしょ!
急に降ってきた雨に、びしょ濡れになって、
家まで、全速力で帰った子供時代が懐かしい。
そういえば、最近、傘もささずに歩いてる子供を見かけない。
確かに、地球自体が、異常気象になり、
地震津波は同時にくるし、大雨と突風が一緒に襲ってくるような事態にはなるときもある。
冷たい冬を越えて、春の日差しに変わり、
満開の桜の向こうに、いずれくる夏を感じて、
「今の季節が一番ね。」と語り合う。
そんな風情の日本の四季も、どこかに吹き飛び、いきなり夏!いきなり冬!で、右往左往する
環境の変化に、人間も変容してしまったのか、
世の中の出来事も、マナーもルールもあったもんじゃないし、若者たちの心も身体も、
少しの変化に揺れ動き、壊れて行く。
人を押しのけてまでとは言わないが、
降る雨が多少多かろうが、吹く風が多少きつかろうが、その中を、走り抜くくらいの訓練は、必要かもしれない。