メンター制度

世の中、まだまだ、失礼無礼がまかり通る。
私のような講師という職業だからなのか、
「先生、今度、こんなテーマで講演してもらえませんか?」
いきなり、電話で依頼してくる。
芸能界でも、会社を通してくるのが、ルールだと思いますが?
ましてや、教育の一環である人材育成支援などの養成研修であれば、なおさらである。
政府が打ち出した、人材不足確保、女性管理者活躍推進のための制度が、次々と作成されて、
研修費用が国から助成金として出る。
そのために、なんだか訳のわからない先生と呼ばれる人たちが、活躍している。
元は、厚生労働省が、見識のある学者たちと作成したマニュアルであるが、文献すらなく、シラバスもない、人集めだけのセミナーになって、助成金目当ての企業が請け負っていることが、多くある。
「メンター制度」
という支援体制も、すでに、アメリカなどでは、導入されて、効果を上げてきたものではある。
日本では、新入社員のために、信頼できる先輩社員(メンター)が、後輩社員(メンティ)に対して、指導、助言をして、離職を防止して、企業に定着してもらうというシステムである。
ディスカッションに不慣れな、秘密主義的な日本人に当てはまるかどうかは別として、
尊敬され、信頼され、そしてこんな先輩になりたいと、憧れるような人物はいるのかを、知りたい。
同じ、ブースの中で、管理職候補とされる先輩社員に、嫉妬や恨みや裏切りはないのか、
失敗したら、その先輩もストレスになり、その重圧で仕事ができなくなったら、それこそ、企業の損失である。
上から作られた制度を押しつけるのではなく、リーダーシップの取れる人物が、自然な中から、彗星の如く現れてほしい。
また、その人を指導できる教育者や有資格者が、企業人ではなく、受け皿としてあるなら、
もっと嬉しい。
研修会、セミナー、勉強会に短期間行っただけで、人生が、人格が、魂が変容するとは思えない。
名だたる大学を卒業され、晴れて企業に就職できて、成人を超えた大人になってからの学びは、会社以外でも、どこにでもあるはず。
死ぬ迄、学び、そして実行あるのみ。