父の日

少し、疲れ気味で、芦屋大丸の地下に、簡単に済ませるため、閉店間際に飛び込んだ。
にもかかわらず、やけに人が多く、食材もいつもと違う賑わいである。
尾頭付きの鯛の塩焼きや、豪華な握り寿司のセット、なんだかクリスマスのようなオードブルがならび、どのコーナーも、かなりの売れ行きである。
「何で?」と、思った瞬間、なるほど今日は、
「父の日」であった。
何とまあ、お父さんもびっくりである。
一人暮らしの私が気づかなかっただけかもしれないが、母の日に負けじとばかりに、お父さんの価値は、いつの間にこれほど上がったのか?
今の日本は、何でもかんでも、イベントデー!
お正月から始まり、12ヶ月、お祭り騒ぎが続いて、大人も子供も、浮かれ気味。
豪華な食卓囲んで「お父さん、ありがとう!」
そして、今年の夏休みの家族旅行の約束を果たすべく、明日から、お父さんは、また馬車馬のように働くのである。
どこかに行って、あれを食べて、何かを買って、遊びに行くことが、幸せな家族の形になってしまった。
この約束を守れないお父さんは、お母さんからの責め苦にあい、気が付けば、子供たちの前から姿を消す羽目に陥る。
子供達が目にするテレビやスマホの情報が飛び交う環境の中で、本当に大切なものは何かを教えて、人間形成をするには非常に厳しい時代ではあるが、リーダーであるお父さんの存在は、
大きいのです。