危険予測

何年か前、地震が起こった時に、梅田からの電車に乗っていた。
今のように、個人の形態の警報はならなかったので、十三の駅で止まり、なかなか電車が動き出さず、ドアが何度も開いたり閉まったり。
皆、なんだろうというような顔をしていたが、
私は、ドアが開いた瞬間に飛び降り、タクシーで芦屋まで帰ったことがある。
人に話すと、一人オーバーなことしてと、笑われたが、夕方の新聞に、その時刻の電車が、
なんらかの原因で、淀川の真上で、乗客が閉じ込められたまま、何時間も停止状態だったと知った。
昔から、防御本能が強く、つまりは心配性?
この手のことがよくあって、命拾いに近い事は、海外でも多く、経験した。
日本では、乗り物も、滅多に遅れることもなく、事故も少ない。
ましてや、突然のテロも起こる可能性もないので、危機感があまり無い。
ヨーロッパに行くと、銀行の中に、機関銃を持った兵隊がいたり、一本道を間違えて迷い込めば、無事には出てこれなかったり、高価なネックレスなどしていると、首まで切られる羽目に陥る。
フランスのメトロで、日本のように居眠りしている人などほとんどいない。
皆、ぱっちり大きな目を開けて、股の間に、ハンドバックを挟み、電車の中で、誰かがいきなり歌い出すオペラを、微動だにせず聞いている。
若い頃に、「私は金持ちの外国人だぞ」と言わんばかりのファッションで、いい気になって、
四人組の男たちに身ぐるみ剥がされて被害にあった友人の話を聞いて、私は、どんなにおしゃれな街でも、色目を抑えたファッションに、決してブランド物は持たず、(出来れば、紙袋)ずーっとパリに住んでる風で、歩いていた。
夜にお食事行くときは、少しくらい嫌なボーイフレンドでも、一緒に行かないと、女性だけでは、危険だからである。
外人の男性が、レディファーストで、日本の男とは比べものにならないほど優しく見えたのは、決して、女性一人でウロウロできないほど、危険が背中合わせの街だからである。
人を見たら泥棒と思えでは無いけれど、変に気象がおかしいときは、地震の前兆と思えくらい、これからの日本は大きな地震が来るだろう。
地震マニュアルを頭に入れて、逃げる場所、食料確保など、準備だけはしているが、
歳で、走れもしないから、果たして助かるかどうかは疑問である。
だからこそ、毎日、危険予測をしているのかもしれない。