責任転嫁の技

「また、相談しとくね」
「考えて、返事するね」
「連絡するわ」
ものを依頼されたり、相談されたりした時に
気の弱い人、甘い人は、その場で断れなくて、
結局、こちらの頼みごとなどないのに、答えを出す羽目になる。
そして、頼んだ方は、
「あの人が良いといったからした。」
「あの人が、あかんと言ったからやめた。」
と、責任を転嫁する。
自分の悩みを打ち明けて、答えを求める方も、
おかしいが、それを聞いて、答えを出す方もおかしい。
最近、欠席裁判のような事に巻き込まれた。
私本人がいないのに、堂々巡りの話し合いの終結の仕方が、「一番、この事に詳しいから、
あなたに聞いてから、返事する事にした。」
と、いきなり言われた。
誰が、詳しいのん!
本人と話しもしていない私が、何で?
少し、頭には来たが、冷静に対応した。
相談事は、高齢の母親を置いて、夫婦で二週間の旅行がしたいとの話。
自分達も、歳なので、今の間に旅行がしたい。
しかし、留守を頼む人が、オーケーを出さないと、行けないという。
論理の通らない、未成熟の大人の戯言には、
関与できない私は、
「それぞれの、人生なので、ご自分で考える事、自立できなくなったお母様のライフマネージャーなら引き受けますが、健常者のご夫婦の人生設計に口は挟めません」と、無視した。
自分の我欲と、我儘を通すために、人を巻き込み、善人の皮は、必ず露呈する。
そして、自分に見事に返ってくる。
蟻の鼻くそみたいな話が、身内の大きな揉め事の発端になる。
誰が一番得するかを割り出せば、自ずと、
隠れて、糸を引いている犯人は見えてくる。
世間にはよくある話である。