今時の看護師さん

何十年とお世話になったお医者様が、
退官され、若いドクターにバトンタッチ。
診療所は、リニューアルされて、風通しは良くはなった。
同時に、看護師さん達も、知らない顔が増えて、なんだか、別の診療所に来ているようだ。
古くから顔なじみの看護師さんは、私の家庭の事情から、私の内臓までをご存知であった。
久しぶりに診察に行っても、
「胃の具合どうですか?」
と、診察する前から、声をかけてくださったり、身体を気遣ったり、醸し出す雰囲気は、どこから見てもナイチンゲールであった。
「ちょっと、いつものお薬をお願い」
と、言えば、ハイハイと処理してくれた。
体調がすぐれなくても、診療所のドアを開け、中に入れば、ホッとして、高かった血圧も、下がってはいたが、最近は、時々、逆に血圧が上がるような事も多くなった。
無愛想で、事務的な若い看護師さんが、窓口で、市役所の様に、淡々と取り扱う。
雑談もなければ、気遣いの言葉もない。
あの、親切な看護師さんは、ドクターが変わられたことを機に、ご自分の年も考えて、辞められたのかな?
身体も心も弱った人を扱う場所では、
技術も大切ではあるが、安心を提供できる言葉も大切なのではないかと、こちらも年をとったせいか、きつい言葉や厳しい言葉が、応えるようになった。