フランスの夫婦の形。

フランスに行くと、よく、御自宅に招待された。
まずは、家族ぐるみでのお付き合い。
マダムの得意料理を、頂くことが多い。
先に旦那様と、お会いすると、
「奥さんの、ローストビーフは絶品です」
と、自慢される。
日本では、ほぼ、聞いたことない会話である。
フランスでは、中流かな?ごくごく一般的な、
御宅の友人に呼ばれて、ディナーが始まり、
高級食材ではないが、その地方の心のこもった
奥様の手料理で、温かなおもてなしをされたことがある。
もちろん、奥様の助手は、どんなに偉い方でも夫が、サポートする。
旦那様は、日本人で、フランス在住40年。
フランス娘をゲットして、優秀な子供さんを三人授かり、幸せな家庭を築き、羨ましい限り。
イケメンではないが、新聞社に勤められていたせいか、文学青年風で、話し方と、言葉は、
(もちろんフランス語)
魅力的で、そこに奥様はコロリとしたかな?
日本でも、見かけないほど、清楚で謙虚な奥様で、旦那や子供を置いて、海外に来る日本の女性達に、びっくりして、どうしてそんなに自由なのか質問ぜめにあった事がある。
主人を一人にして、大丈夫?
子供達の食事は、どうしてるの?
旅行の費用は誰が出すの?
そして、最後には、必ず聞かれる事、
「離れ離れで、寂しくないの?」
「とんでもございません!お互いせいせいしてます」とは、品格を落とすので、答えられず。
お食事も、お買い物も、旅行も、よほどのキャリアウーマンでないかぎり、フランスでは、
夫婦が、共に時間を過ごすのが、当たり前。
ニコニコ、横で、笑顔のご主人も、決して本音を言わないが、結構、外では、羽を伸ばして、女性を口説いてる場面をよく見る。
友人も、私達が、フランスにいる間は、奥様容認なので、つきっきり状態で、同行してくれる。その間、奥様が心配しているような言葉も、ちらほらでる。
そのかわり、1時間ごとに、奥様からのラブコールが、携帯に入る。
最後には必ず、「愛してるよ」と、小さな声で、答えてる姿を見て、
「こりゃ、大変だ!」、
日本人の奥さんに、そんなこと言おうものなら
「あなた、どうしたん?大丈夫?」
と、言われる始末。
どちらがいいのか、私には、わかりませんが
やっぱり、夫婦って、これぐらいの存在感が、あってもいいとは思います。
どうあれ、どこの国の夫婦も、きつねとたぬきであることは、確かである。