老化と眼鏡

元々、サングラス以外は、好きではない。
なのに、本が好き、パソコンが好き、スマホが好きとなると、当然、この歳になれば、
否が応でも必要となる。
5年くらい前に、
「もう、だめ!裸眼では限界!」
となり、芦屋では老舗の眼鏡屋に飛び込んだ。
まず、字を見るための老眼用のメガネ。
外出した時に、全体を見るための遠視と乱視用のメガネ。
仕事用の遠近両用のメガネ。
暮らしに支障が出てきたので、致し方なし。
遠くに座っている犬を、近所のおっちゃんと
間違えて挨拶したり、日によっては、焦点が定まらず、そこらじゅうの人たちが、のっぺらぼうの顔に見えたり、スマホの文字を、卑猥な言葉に間違い変換したりと、目も当てられない。
眼鏡屋の店員さんは、やはり、そこそこのお年の方が多く、私の悩みを、見事に汲み取り、
なるほどなるほどと、気に入りそうな商品を並べてくれた。
常時身に付けるものなので、機能性も大事ではあるが、スタイル的にもデザインを重視して、外出用には、少しキラキラとした石の飾りのついたもの。
家用には、軽くて、薄くて、重圧感のないもの。(実はこれが一番高かったのである。)
あとは仕事用で、怖い先生に見えるような、
シャープなもの。
一生もんだと思い、清水の舞台から飛び降りるつもりで、3点お買い上げ~
しかし、まだ、5年しか経ってないのに、
老化により、度が進み、またもや、見えづらくなってきて、その上、蚊が飛んでるみたいに見える飛蚊症、花火のような光が、目の前に現れる症状まで、出てきて、慌てて眼鏡屋へ。
ところが、店は、場所も移転して、おしゃれにリニューアル。
あのおっちゃん達は、皆消えて、カジュアル風な軽いタッチの若い店員さんに、変換。
そんなわけで、商品も、私のようなおばあちゃんがかけたら、「ますます、老けるやん」みたいな商品ばかり。
事情を話したが、こちらの意図も心情も、
伝わらず、がっかりして、買わずに、店を出たのである。
私の中では、眼鏡屋さんは、眼医者さんから、処方箋をもらって、こんなになった目には、
どんなメガネが一番いいかを説明してくれる有資格者、つまりは薬剤師さん的に、期待していたのである。
死ぬまで、目は大事な体の一部、残存機能を活かせるメガネを、選んでくれる店員さんに、
出会えなかったことが、残念でした!という話でした。