「先生」と言う資格

最近、保育園の問題、事件の報道が多くある。
保育士の虐待、園の不正受給など子供にまつわる問題であるだけに、不安が広がる。
今でこそ、保育園にいれる事は当たり前になっているが、3、40年程前は肩身がせまい風潮であった。
私も働いていたので、お世話になったが、
明るい幼稚園の雰囲気とは違い、何故か暗いイメージが抜けなかった。
今の保育園はさらに進化していて、英才教育が組み込まれていたり、
アカデミー的なものが人気である。
しかし、びっくりするほどの保育費である。
働かねばならない母親のためではない。
3歳までは、母親の手で育てると言う昔からの言い伝えもなんのその、
「私が育てるより、子供に知識がついたり、躾がちゃんと出来るから良いんです」
と、ママ達は宣う。
「へぇーそうなんや」
と聞いてる私も、自分の為に預けた感があり、
今思えば、こころがチクリと痛む。
私を見抜いていた息子は、お迎えが遅くなり、謝ると、
「ママが、働きたいんでしょ?」
と、鋭い優しさで、許してくれていたのである。
現在は厚生省管轄になり、私の仕事管轄の中にも関連しているが、保育士を「先生」と呼ぶ事には多少なりの疑問はある。
私自身も文科省ではないので、高校、大学の福祉教科を教える講師と呼ばれて来た。
介護福祉士社会福祉士などの有資格者達を
産み出してはきたが、職業についても、この人達は、決して「先生」とは呼ばれない。
代議士、弁護士、税理士など、同じ「士」が付き、「先生」と呼ばれている人達もいる。
また、「師」の付く医師、薬剤師、鍼灸師などは「先生」と呼ばれているが、何故か、看護師だけは「先生」と呼ばれはしない。
どうあれ、「先生」と呼ばれる職業は、絶対的信頼のもとで、きちんと倫理観を持ち、相手の不利益を、見て見ぬ振りは許されるべきことではない。
ましてや、幼い弱者に対しては、どんなことがあっても、守りきらねばならない。
「何をされてるかわかっていたのに、言えなかったんですー!ごめんなさい」
と、テレビで保育士が泣いて訴えていたが、
そんな人に「先生」と呼ばれる資格はないし、
即刻、やめてもらいたいと、こちらが叫びたい心境である。
大人達のための働き方改革ではなく、
これからの未来を背負う子供達に、どんな環境が必要なのかを、真剣に考えねばならないと感じている。