バトンタッチ。

うすら寒さを感じて、上着を羽織ると少し汗ばむ。
何ともややこしい季節感である。
地震、雷、火事、親父も、
大雨、洪水、地震、火事に変わったかも。
とっくに親父は姿を消したのである。
男性にとっては、男尊女卑の名の下で、長く権力と支配を掲げてきたが、もはや、行使すれば、虐待にあたる。
「女、子供は黙っとれ!」と豪語していた年代は、高齢者として社会の舞台からは降りねばならない。
現代は「怒らないから、本当のこと言って」
と懇願されて、正直に浮気を白状すれば、
たちまち、離婚届と慰謝料請求の羽目に陥る。
出戻り娘と言われた差別用語が、今はシングルマザーと、おしゃれで強いママのイメージになった。
社会の中でも女性の進出も改革されて、
「女社長」もあり得る話として持ち上げてはいるが、本当だろうか?
「さあ、行くぞ!」と決意しても、預かってくれる保育園は定員オーバーに人材不足。
働き出しても、今度は「男女平等」を逆手にとっての残業三昧。
政治家が掲げた約束には、程遠い現実社会。
世界の中で、遅れた国の遅れた人達が、遅れた思考で変わらず暮らしていけば、壊れてゆく日本を食い止めることはできないのである。
無駄な浪費の経済の数字ばかりを、小手先で処理しょうとする政治家たちの中に、舵取りのできる人物は見当たらない。
世界的にも、自然災害、少子高齢化の問題は、日本だけではない。
切り替えられない頑固な頭で、トップの椅子にしがみつき、未だ心の何処かに、
「女、子供は黙っとれ!」
精神が残っており、次世代を受け止め様とはしていない。
NHKで放映されている「西郷どん」と同じ時代が、再び来ているとすれば、日本の船は大きく旋回しなければならない。
若者たちのエネルギーと新しい科学と文化を受け止めて、バトンを渡さねばならない。
そして、背後からの援護射撃は私たち高齢者でもできると思う。