来年の夢

「料理の先生になりたーい!」
と、夢見てる。
テーマは「プチケア・クッキング」である。
独居でクック、お邪魔でクック、お呼びでクック、何でもクッキング。
昔から、お料理の時間は、いつもワクワク。
大好きなので、お金はかけないが、手間暇かけるのである。
中華料理には鶏ガラと長ネギと生姜のスープ。
洋風料理には鶏ガラと玉葱と人参とセロリのスープ。
和風料理には勿論、昆布と鰹。
冷凍庫には、常にこの三種類のスープが、作り置きされているので、何でも来いである。
家にいるときは、寸暇を割いて、コトコト 下地の出汁作りである。
「そんなめんどくさいことしなくても、今は鍋のお出汁まで、まるごとちょんよ!」
と、いろんな人に言われてきた。
否定しているわけではなく、私の料理は、
ミニチュア料理の様に、コロッケもミンチカツもお肉も魚も、小っちゃいのである。
同じ料理を時間をかけて食べたくなくて、1種類、3口で終わりたい。
主食を入れて7食は並べたい。
なるべく少量を選んで買うが、一つの食材を食べ切るには、何日もかかるのである。
だから、スーパーに行くと、頭の中はメニューとレシピが交錯して、決して無駄のない買い方をする。
ピカピカの食材を見ると嬉しくて、冷蔵庫にしまう前には、全て下処理をして、OK状態。
おかげで、突然の来客にも20分対応ができるので、「小料理屋くらいしようかなぁ」。
そんな姿を、私からは想像ができないので、生徒さんたちは、
「先生は目玉焼きしか作れないでしょ!」
と、言われる。
ワンルームの部屋の、ガスコンロが一つしかないキッチンで「吉兆」並みのお料理を作れることを、誰も知らない。
お鍋は大中小の三つと、小さなフライパン一つだけで、全てが賄える魔法の料理を、この秘密クラブみたいなキッチンで、
「お料理の先生になりたーい!」
と、新しい年から、新しい仕事を始めたいと、
願っている。
人生は完全にはならず、理想通りにもならずの70年を経て、たまにはこんな夢くらい、見てもいいかもと思っただけである。