シルバーシェアハウス

築70年の家、近所の大工さんに診てもらったら、
「壁は漆喰、壁の中は竹ではなく桐でっせ!」
でっせと言われても、ようわからん。
主人の両親の代から住んでいた家であるが、
中途半端な古さで、値打ちもない。
武家屋敷や、藁葺きなら、まだ古民家として、今流行りのカフェもお洒落だが、どうにも活用しようがなく困っている。
平屋の一軒家なので、天井も高く、風通しも良い。
どこまでが庭なのか定かではないが、姑が作った公園にあるような丸い花壇と、結構筍が取れる竹林が、庭の向こうに屏風のような風情である。
その上、今時、都会の中で井戸があり、断水になってもザァーザァーと水が出る。
近代的な住まいの人達は、
「懐かしいわー別世界みたい!」
と、珍しがるが、住んでる人間にとっては、
時代錯誤になる位、住みにくい。
夏には、ムカデや虫が簡単に侵入するし、
冬は、トイレに至るまで、暖房がいるほど寒いのである。
若い人には、見向きもされないこんな家でも、
まだ、ちょっとは動ける孤独な独居老人集めて、元農業老人、元竹細工老人、元料理老人、元大工老人など、何か一つ得意なものができる人のシェアハウス作ったら、いいかも!
「そんな人、この指とーまれ!」
と、募集したら、実現できるかもしれないと、夢見ている。