たった一度の聖夜を待つ。

聖夜のために、冷たい雨が降る。
白い小さな粉雪に変わる事を、願って。

小さな窓から、帰らぬお母さんを待つ子供達の姿が見える。
生き場所のない人達が、コートの襟を立てて、
さまよう姿が見える。

サンタクロースが来ない人たちにも、
必ず訪れる美しいクリスマスの夜。

キラキラと光るイルミネーションの街並み。
何処からか、聞こえてくるクリスマスソング。

どれほどの悲しみの中にいても、
一人ぼっちの寂しさの中にいても、
この日だけは、皆んな神様の胸の中にいる。

待ち続けて来た、一年に一度だけの聖夜。

見上げれば、満天の美しい星と、
懐かしい人の姿が見える夜になって欲しい
と、祈っている。