新しい人間の誕生

売れ残った、クリスマスケーキが、大量廃棄されたことを、ニュースで知った。
言葉にならないほど悲しい。
食べ物が無くて、飢餓で死んでゆく子供達の姿が、思い浮かぶことはないのだろうか?
捨てた業者も、店の店員も、当たり前のように
業務をこなしているだけだとは思うが、
一瞬でも、心痛めてほしいと願う。
今捨てたケーキ1個が、1人の子供の命を繋げる。
生まれ出ずる国も、家族も自分では選べない運命とはいえ、救われない生命の儚さを思う。
私が福祉の世界に入った原点は、ここにあったと思う。
たとえ、自分の手で救えなくても、その人を思う事から始まる。
身体が動かなくなっても、支援される側であっても、自分以外の苦しい人のために祈ることはできる。
私は信仰する宗教もないし、出会ったこともないけれど、何故か、こんな事に遭遇すると、イエスの深い悲しみが伝わって来る。
こんな思いを、人は感情論や綺麗事と片付ける世の中になってきている。
もはや、地球の何処かの試験管の中で、全く新しい生命体が生み出されていると言う。
病気になったり、死んだりする不具合な細胞を排除された、完璧な新しい人間が、近い未来に作られる時代になる。
化学も医療も経済も、想像だにしないほどの
変容の世界がやって来る。
私達は、間も無く姿を消すが、今の子供達は、そんな未来を見ることになるだろう。
だから、子供たちの命を守ってやりたい。
出来るならば、新しい人間に進化を遂げる時には、「差別という細胞」は排除してもらいたいと、願っている。