お正月を待ちわびる

元旦は、一年のカレンダーの中で、一番の大イベントである。
私は、お正月そのものより、二、三日前の今が好き。
なんとかやり終えた充実感と健康に終わった安堵感。
元旦はけじめの日。
今年の失敗を糧にして、来年こそは頑張るぞという話。
会社の扉は、来年になるまでピシャッと閉まって、何があっても仕事はできず、お父さんはご機嫌。
財布の紐を緩めても、家族公認の大盤振る舞いに、お母さんは年末セールで、内緒でおせちに紛れてセーター1枚追加購入。
もちろん子供達は、お年玉の皮算用で有頂天。
貧しい人にもお金持ちの人にも、差別なくめでたい正月は来るのである。
どこに行っても、誰と会っても、とりあえず、
「明けましておめでとう!」
が、嘘でも言える。
迎えて見れば、ただの一月一日である。
ワァー、ワァー言ってる間に、あっという間に、お正月は過ぎて行く。
なんだか財布は軽くなり、後悔先に立たず。
いつもながらの日常が戻って来る。
「めでたいお正月が楽しみ!」
と、待ちわびてる年末の今日が、一番の幸せ。