今年、削除するもの

今年のお正月は、鏡餅もやめた。
ゆりの生花もやめた。
それでも変わらず、穏やかなお正月は、つつがなく過ぎたのである。
来年は何をやめようかと、今から考えている。
一年の行事ごと、ほとんど削除はしてきたが、
お正月だけは、未だ、おせちだけは用意してしまう。
やはり食べ物には執着があるのかも知れない。
大好きなクリスマスには、トイレの壁に、ガラスのトナカイが、寂しく飾ってあるだけである。
若い頃から、お正月、節分、お雛様、お節句と、その折々に、願いを込めて準備してきたが、
年を経るごとに、お道具は並べることもない。
省略、削除でだんだん身軽にはなっていくが、
何だか、死ぬ準備だけは着々と進んでいる。
やめて、捨てて、後悔したものはまだ一つもないが、大切なものまでは、うっかり捨ててしまわないよう、要注意である。
物は買い足せるが、人は、二度と取り戻す事は出来はしない。
自分ではわからないが、きっと最後に残ったものが、大切なものであることは確かである。