希い願う、

果てしなく続くレールは、直進ではない。
知らない間に切り替えられて、左旋回して走って行く。
車窓から見える景色は変わらず、乗車している私達には分からない地図にない道。
跨いで通る別の国。
伝わらない言葉、見知らぬ人々の世界で彷徨う心。
一本の樹の下で、疲れ果てた身体を横たえる。
もう、歩かない。
もう、動かない。
もう、探さない
眠りから覚めないことを、願いながら沈んで行く。
「どうされましたか?」
遠くで、微かな声がする。
差し出された温かな一杯のコーヒーが、命を繋ぐ。
広い地球の果てにも、神様が存在していると、
切に願う私がいる。