日本の行方

もはや、日本は発展途上国ではない。
長い戦いの末に、勝ち取り、定着した国となった。
伸び代は使い果たし、この国の形の中で、
個々に、生きてゆく方法を考えねばならない。
コップ一杯になった水を、無駄にせず、こぼさぬように、舵取りができるバランス感覚の良い政治家は、いないのである。
数字を改ざんしようが、復興に向けての見せかけの福祉を叫ぼうが、変わる事はないと思わなくてはならないだろう。
こんな、年寄りの私にでも、バレてしまっているのだから、救いようがない政府である。
見猿言わ猿聞か猿で、平和を装っても、現実はヒタヒタと私たちの暮らしを追い込んでゆく。
或る水域の人々は、逃げ延び、安定のラインに乗るだろうが、私達、一般人の未来は厳しい。
増えることのない手持ちのお金が、どこまで持つのか、人間の数が減少していくように、収入は減額されていくのである。
災害が、文明化してしまった日本は、近い将来、また自然の脅威に見舞われる事は確実である。
諦めの早い日本人は、その時が来たら、その時のこととして受け止めていくのだろう。
今のうちに、楽しんでおこうみたいな刹那的な高齢者の生き方を、若者たちに背負わせてはならないと思う。
老いも若きも、協力し合う原点の時代に来ているのかもしれない。
何が何でも、お金、売上、お客様は神様ですとは、言ってられない人手不足の状況において、
「人間らしい暮らし」
が、見直され始めている。