スーパースポーツウーマン

私は、学生時代、スポーツウーマンでもないのに、スポーツをしている人に憧れていた。
今から思えば、ナイキも無ければ、アディダスもない時代で、不細工なユニフォームだったと思うが、強靭な肉体と技術で勝利する競技が、素晴らしかったのである。
若い頃から続けてきたスポーツを、70歳を超えても、継続している高齢者が男女共いる。
同じ歳とは思えないほどの動きである。
普段はただのお婆ちゃんだが、コートに入ると別人のように動き回る。
「嘘でしょ!信じられない」
ベットの上で、ストレッチをするだけでも、
「あ痛たたー!あ痛たたー!」
と、叫び倒すほど、老化現象を起こしている私からは、信じられない状況である。
老化の度合いは、まず、歩くスピードで見極める。
サッサと歩けなくなる。
もちろん小走りもできない。
爪先から、地に足をつけるなど、至難の技。
ピンヒールを履いて、颯爽と歩いていた人物とは思えないほどの、変わり様。
肉体年齢は、本当の年齢では測れず、たとえ、年の差が一回り違う若さでも、完全に負けている。
感心して、スーパーウーマンに尋ねると、
「孫と一緒に、野球したり、山登りしてるからよ。」
と、真っ黒に日焼けした笑顔で答える。
お金のかかるジムやリハビリでもなく、孫と遊ぶのが、健康維持に繋がるらしい。
やっぱり、健康な肉体には、健康な魂が宿ってるなと、改めて憧れる。