初恋、あなた、誓い

宇多田ヒカルは、日本を代表する歌手である。
彼女の歌は、ほとんどがヒットする。
私も、好きでよく聴いているが、美しいメロディーに叙情的な歌詞がのり、人々の心を魅了する。
時々、テレビや雑誌の対談に登場し、乾いた声と、静かな瞳で話される姿に、彼女の数奇な運命を垣間見る。
お金、地位、名誉全てをゲットしたにもかかわらず、常に、喪失感が見え隠れしている不安定さがある。
神様が、
命に関わる問題、
精神に関わる問題、
お金に関わる問題
を、一つだけ排除してくれるなら、何を選びますか?と言われたら、どうするだろう。
ほとんどの人達が、命の問題を引く?
彼女は、精神の問題を選ぶような気がする。
生死はいつも背中合わせ、自分の範疇ではない。
お金がある、ないは、人間の罪ではない。
なぜに、彼女が叫びのような歌詞を書くのか。
人間の中に潜む、深い情感をうったえるのか。
我が母を、自殺という形で失った悲しみと、憤りが、どこまでも愛の意味を追い続けるのである。
彷徨うように、言葉を探し続け、確かなるものに出会える事が、切なる願い。
「私の歌は、訴えているのではない」
と言い切る理由は、未だ、愛の実感を味わえないでいるのかもしれない。
生きてる中で、本当の愛と出会える人は少ないと思う。
愛は、陽炎のように、儚いものである。